個人事業主やフリーランスの人が年金を増やす方法 

個人事業主やフリーランスの人が年金を増やす方法 制度

こんにちは!TOSHIです。

個人事業主やフリーランスの方などの第1号被保険者は、自発的に加入しない限り、公的年金は基礎年金のみです。
そして、20歳から60歳になるまでずっと保険料を納めた場合にもらえる年金額は、年間約85万円です(令和8年度・月70,608円)。

保険料を納付していない期間があれば、その分減少します。

会社員である第2号被保険者と比べて低いだけに、自助努力の必要性は高く、国はさまざまな方法を用意しています。

そこで今回は、国が用意している個人事業主やフリーランス向けの、将来もらえる年金を増やす選択肢を解説していきます。

なお、2026年12月にiDeCoの制度が大きく変わります。 記事の後半で触れますので、あわせてご確認ください。

(出典:日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」)

かなりお得な付加年金

題にもあるように、付加年金はかなりお得な制度です。
なぜなら、払った保険料を2年で回収でき、2年経過後も年金を終身でもらい続けることができるからです。

付加年金は、毎月国民年金の保険料を400円ずつ上乗せして払うことで、付加保険料を払った月数に200円をかけた金額を、年間で受け取ることができます。

例えば、毎月400円の付加保険料を10年間、120か月かけた場合を考えてみます。

合計で支払う保険料は、400円 × 120か月 = 48,000円となります。

一方で、65歳以降に上乗せしてもらう年金額は、200円 × 120か月 = 年24,000円です。

つまり、2年間さえ受け取れば元が取れるということになります。
もちろん2年もらった後も、何の負担もなく年24,000円を受け取り続けられます。

付加年金の注意点

付加年金の申込窓口は市区町村です。

これ以降に説明する国民年金基金という制度とは併用ができず、どちらか一方を選択しなければなりません。

もう一つ気を付けたい点は、加入期間が決まれば将来もらえる年金額も決まるということです。
大きなインフレ、つまり物価上昇が起きれば、年金額が実質的に目減りする可能性があります。

とはいえ、2年で元が取れる制度であることに間違いはありません。

終身年金の国民年金基金

国民年金基金は、下記で説明するiDeCoと同様に、保険料を納める期間の節税効果が大きく、かつ65歳以降は終身で年金を受け取れます。

加入対象者は、個人事業主やフリーランスなどの第1号被保険者です。
掛金の上限は月68,000円で、iDeCoと国民年金基金の拠出合計額がこの範囲に収まる必要があります。

iDeCoを月68,000円分拠出している場合は国民年金基金に加入できず、その逆で、国民年金基金に月68,000円分拠出している場合はiDeCoに加入できません。

※この68,000円という上限は、2026年12月から75,000円に引き上げられる予定です。詳しくは後述します。

国民年金基金は、一度加入したら59歳まで掛金を払い続け、65歳以降に終身で受け取れる制度です。

1口目は必ず終身型を選び、2口目以降は終身型か有期型を選択します。

例えば、40歳男性が59歳まで月26,460円の掛金を拠出した場合、65歳から月35,000円ずつの年金を受け取れます。

【前提条件】 40歳から59歳までの20年間、月26,460円を拠出

【掛金の合計】 26,460円 × 12か月 × 20年 = 約635万円

【受け取れる額】 65歳から月35,000円

ここで使いたいのが、平均寿命ではなく65歳時点の平均余命です。
厚生労働省「令和7年簡易生命表」によると、65歳の平均余命は男性19.68年、女性24.52年です。

つまり65歳の男性は、平均するとあと約20年、85歳頃まで受け取る計算になります。

【受取総額の目安】 35,000円 × 12か月 × 20年 = 約840万円

掛金635万円との差は約205万円のプラスです。
終身年金なので、長生きするほど受取総額は増えていきます。

(出典:厚生労働省「令和7年簡易生命表の概況」2026年7月公表)

重要なのは、増えること以上に「社会保険料控除」であること

どういうことかというと、同一生計の配偶者や親族の分なら、誰かがまとめて確定申告で控除を申告できるということです。

iDeCoの所得控除は「小規模企業共済等掛金控除」という種目で、配偶者の分は控除できません。
配偶者が自身で確定申告をして控除を申告する必要があります。

例えば、夫婦で国民年金基金に加入し、それぞれ年30万円の掛金を納めた場合、合計60万円です。
妻の所得税率が20%だとすると、これを妻がまとめて申告しても12万円の節税ですが、税率30%の夫がまとめて申告すると18万円の節税となります。

同じ掛金でも、誰が申告するかで6万円の差が出るということです。

小規模企業共済|iDeCo・国民年金基金とは別枠での所得控除が可能

小規模企業共済は、国が作った「経営者のための退職金制度」です。

従業員20名(サービス業は原則5名)以下の個人事業主やフリーランス、会社役員などが加入できます。

掛金は月1,000円から70,000円までの範囲で選べ、全額が所得控除の対象です。
商工会や商工会議所で加入できます。

ここが重要なのですが、この70,000円はiDeCoや国民年金基金の枠とは別枠です。
つまり、両方を使えばそれぞれの限度額まで所得控除を受けられます。

運用は確定利回りで、退職や事業廃止のときなどに受け取れます。
受け取り方は「一時金」「年金」「一時金と年金の併用」のいずれかを選択します。

受取時期については、事業廃止の場合はいつでも受取可能ですが、事業を続けながら「年金受け取り」を選択したい場合は、15年以上掛金を納付し、本人が65歳以上になっている必要があります。

掛金は全額所得控除ですので、月30,000円で年間360,000円を拠出し、所得税率が20%の場合、年72,000円の節税となり、実質的な負担は288,000円となります。

小規模企業共済の注意点

小規模企業共済の所得控除の種目は「小規模企業共済等掛金控除」です。
国民年金基金の社会保険料控除と違って、控除対象は本人のみです。

つまり、夫が妻の分を拠出したとしても、夫が妻の分を合わせて所得控除することはできません。
これはiDeCoも同様です(iDeCoの控除種目も小規模企業共済等掛金控除だからです)。

また小規模企業共済の特徴として、資産残高の積み上げに応じて、低金利での借入ができるという点があります。
いざ資金が必要なときに借り入れができるのは、事業をされている方にとって心強い仕組みです。
iDeCoには現時点で借り入れの仕組みはありません。

投資優遇税制であるiDeCo

iDeCoには3段階の税制優遇があります。

  1. 掛金が全額所得控除
  2. 運用中は非課税で増やせる
  3. 受給時にも税制優遇がある

運用の差がどれくらい出るのか、具体的に計算してみます。

【前提条件】 月30,000円を30年間積立、所得税・住民税の合計税率20%

【運用結果】

30年後
元本(積み立てた金額)1,080万円
年率0.5%で運用した場合約1,165万円
年率3%で運用した場合約1,748万円

運用による差は約583万円です。

【節税効果】

掛金が全額所得控除になるため、年間360,000円 × 20% = 年72,000円の節税。
30年で約216万円になります。

運用差と節税効果を合わせると、約800万円の違いが生まれる計算です。

※上記はあくまで一定の利回りを前提とした試算です。実際の運用成果は変動し、元本を下回る可能性もあります。

iDeCoは自分で金融機関、そして運用商品を選びます。
金融機関ごとに取り扱える商品や口座管理料が異なります。

2026年12月、iDeCoが大きく変わります

ここが今回、一番お伝えしたい点です。

2026年12月1日施行予定の制度改正により、iDeCoの拠出限度額が引き上げられます。

自営業者などの第1号被保険者の上限額は、月額68,000円から75,000円に引き上げられます。
国民年金基金や国民年金の付加保険料がある場合は、合算した金額となります。

あわせて、加入可能年齢も引き上げられる予定です。

掛金上限の適用は2027年1月の引落分からとなる見込みです。

月7,000円の枠が増えるということは、年間84,000円分、所得控除の対象を増やせるということです。
所得税・住民税の合計税率が20%の方なら、年16,800円の節税につながります。

すでにiDeCoの上限まで拠出されている方は、掛金の見直しを検討する時期に入ります。

なお、施行日や詳細な内容は変更される可能性があります。
実際の手続きの前に、必ず最新の情報をご確認ください。

まとめ

個人事業主やフリーランスの方は第1号被保険者で厚生年金に加入ができず、将来の年金への不安は大きいことでしょう。

これらの制度をうまく使うことで、所得控除を受けながら将来の年金を増やすことが可能です。
ご自身に合った制度を選んでいきましょう。

付加年金国民年金基金小規模企業共済iDeCo
制度概要月々400円を国民年金に上乗せして払えば、上乗せした月数に200円を掛けた金額が将来、毎年上乗せされる一定の掛金を払えば、将来決まった額の年金がもらえる事業主やフリーランスの退職金制度。一定の掛金を払えば将来決まった額を受け取れる一定の掛金を払い、運用成果しだいで将来受け取る額が増減する
対象者第1号被保険者(個人事業主・フリーランスなど)第1号被保険者(個人事業主・フリーランスなど)従業員20名(サービス業・商業は5名)以下の個人事業主やフリーランス、会社役員など原則20歳以上65歳未満の国民年金被保険者
税の優遇社会保険料控除社会保険料控除小規模企業共済等掛金控除小規模企業共済等掛金控除。運用中・受取時も優遇
利回り2年で元がとれる年1.5%(確定)年1%(確定)運用次第
毎月の掛金の上限400円iDeCoと合わせて月68,000円(2026年12月から75,000円)70,000円(他の制度とは別枠)国民年金基金と合わせて月68,000円(2026年12月から75,000円)
受給開始年齢と受取方法原則65歳。一時金では受け取れず年金方式のみ原則65歳。年金方式廃業か退任時(老齢給付は65歳以降)。60歳前にも受け取れるが元本割れも。一時金と年金どちらも可能原則60歳。一時金と年金どちらも可能
手続き窓口市区町村国民年金基金商工会議所・商工会銀行・証券などの金融機関
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