物価が上がると、預金はどうなるのか

投資
物価が上がると貯金はどうなるのか

こんにちは!TOSHIです。

ここ数年、食品や光熱費の値上がりを実感されている方は多いと思います。

一方で、「物価が上がると自分のお金がどうなるのか」を数字で確かめたことのある方は、意外と少ないのではないでしょうか。

今日は、そこを具体的に見ていきます。

1. まず、今どのくらい上がっているのか

総務省統計局の消費者物価指数によると、2026年7月分の全国の総合指数は、2025年を100として102.0。前年同月比で1.9%の上昇です。

参考までに、広島市の数字も見てみます。2026年7月分の総合指数は102.2、前年同月比で1.8%の上昇。全国とほぼ同じ水準です。

ここで押さえておきたいのは、上昇率が落ち着いてきているという点です。

1年前の2025年7月分は前年同月比3.1%の上昇でした。そこから徐々に鈍化し、直近は1%台で推移しています。

(出典:総務省「消費者物価指数」2026年7月分、広島市消費者物価指数)

2. 「上昇率が下がった」は「物価が下がった」ではありません

ここが誤解されやすいところです。

上昇率が3.1%から1.9%に下がったというのは、値上がりのペースが緩んだという意味であって、価格が元に戻ったわけではありません。

指数で見ると、2025年7月が100.1、2026年7月が102.0。この1年でも上がり続けています。

ペースが緩んでも、上がり続ける限り、お金の価値は少しずつ減っていきます。

3. 預金100万円は、何年後にいくらの価値になるか

では、実際にどれくらい減るのか計算してみます。

【前提条件】 現在100万円を預金。物価が毎年一定の割合で上昇し続けると仮定

【購買力の変化】

10年後20年後30年後
物価上昇率 1%の場合約90.5万円約82.0万円約74.2万円
物価上昇率 2%の場合約82.0万円約67.3万円約55.2万円

通帳の残高は100万円のままです。減っているのはそのお金で買えるものの量です。

物価が年2%で上がり続けると、30年後には100万円で買えるものが、今の55万円分まで減る計算になります。

「元本保証だから減らない」という言葉は、金額については正しく、価値については当てはまりません。

4. 上がった物価は、なかなか元に戻りません

物価が上がる背景には、いくつかの要因があります。

輸入への依存

日本のカロリーベースの食料自給率は、令和6年度で38%です。前年度並みで、この10年ほど横ばいが続いています。

食料の多くを輸入に頼っている以上、為替の動きや海外の生産状況が、そのまま国内の価格に響きます。

(出典:農林水産省「令和6年度食料自給率」令和7年10月公表)

人件費の上昇

物流や店舗運営の人件費が上がれば、その分は価格に転嫁されます。そして人件費は、一度上がると下がりにくい性質があります。

エネルギー価格

電気・ガス・ガソリンは、国際的な資源価格と為替の影響を直接受けます。

これらはいずれも、短期間で元に戻る類のものではありません。

5. では、どう考えればいいのか

ここで「だから投資をしましょう」と言うのは早すぎます。

先に確認すべきことが3つあります。

① そのお金を、いつ使う予定か

数年以内に使うお金は、値動きのあるところに置くべきではありません。物価の話とは切り離して考えます。

② 生活防衛資金は確保できているか

急な出費に対応できる現金がないまま値動きのあるものに移すと、いざというときに不利なタイミングで換金することになります。

③ 物価上昇の影響を、自分の家計で確認したか

物価指数は全国や広島市の平均です。ご自身の支出の内訳によって、影響の大きさは変わります。外食が多い方と自炊中心の方では、受ける影響が違います。

まずは1か月分の支出を書き出して、どの項目が増えたかを確認してみてください。ここが出発点です。

6. まとめ

  • 物価の上昇率は鈍化しているが、上がり続けていることに変わりはない
  • 預金の金額は減らないが、買えるものの量は減っていく
  • 物価が年2%で上がると、30年後の100万円は今の約55万円分の価値になる
  • 上がった物価が元に戻ることは考えにくい
  • ただし、何かを始める前に「いつ使うお金か」を整理することが先

物価の話は、どうしても「だから何かしなければ」という気持ちにさせます。

ですが、焦って動くことが一番の損失につながります。

まずは、ご自身の支出のどこが増えたのかを確認するところから始めてみませんか。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や取引の推奨を目的とするものではありません。制度や統計の内容は2026年9月時点のものです。個別の判断にあたっては、最新の情報をご確認ください。

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